【相続手続と寄与分】故人にした介護などを相続分に反映させるたい!司法書士が解説

相続の時に、故人のために色々してきた人と何もしていない人の相続分は、原則、同じです。しかし、寄与分が認められれば、面倒を看てきた人は、他の相続人より多く財産を相続できます。

ここでは、次の内容を解説しております。

  1. そもそも寄与分って何?
  2. 寄与分の要件
  3. 寄与分があるときの相続分の計算方法と請求時の注意点

そもそも寄与分って何?

寄与分とは、故人が生きているときに、故人の財産を増やしたり、または財産を維持することに特別に貢献した相続人の相続分を増やすものです。

故人の生活に、介護などで貢献した相続人は、対価として多く財産を相続できるのです。具体的には、次のような場合に認められます。

  • 故人の仕事に貢献した
  • 故人の介護を行った
  • 故人の生活を金銭的にサポートした

寄与分の要件

寄与分を請求するには要件があります。それは、相続人全員が認めることです。

相続が発生した場合、遺言書などが無ければ、遺産分割協議を行います。この遺産分割協議で、相続人全員に寄与分を認めてもらう必要があります。

ただし、他の相続人が、寄与分を認めることは、他の相続人の相続分を減らすことになります。よって、寄与分は認められづらいのです。

遺産分割協議で寄与分の主張が認められない場合はどうなる?

遺産分割協議で、他の相続人に寄与分が認められない場合、裁判所に調停を申し立てることで寄与分の請求ができます。

具体的な請求の流れは下記の通りです。

調停の申立
調停が不成立
審判
審判の結果に不服がある場合、即時抗告
(審判結果の告知日の翌日から2週間以内)

寄与分が認められる5つのケース

裁判所に寄与分が認められるケースとしては、下記の5つを挙げることができます。

    ① 金銭等出資型故人の借金返済や老人ホームの入居金を肩代わりしていたなど
    ② 療養看護型故人の介護を行っていた
    ③ 扶養型故人の生活を金銭的にサポートしていた
    ④ 財産管理型故人の財産管理または増加に貢献していた

    裁判所で寄与分を認めてもらうためには?

    また、裁判所に寄与分を認めてもらうためには、「特別の寄与」という要件を充たす必要があります。

    特別の寄与とは、通常の相続人と被相続人の関係を超えた寄与です。

    例えば月に1〜2回程度、銀行や病院へ親を連れていく程度では通常の寄与とみなされてしまい、特別な寄与には当たらないのです。

    寄与分があるときの相続分の計算方法とその他の注意点

    ここでは次の2つについて解説していきます。

    1. 寄与分があるときの相続分の計算方法
    2. 寄与分に関する注意点

    寄与分があるときの相続分の計算方法

    寄与分があるとき、相続分は次のとおり計算します。

    • 相続分 = (遺産総額 寄与分) × 法定相続分 + 寄与分

    計算式だと分かりにくいと思います。

    具体例で確認

    故人の財産総額が5,000万円、法定相続人が子供2人、片方の子供の寄与が1,000万円と仮定しましょう。

    寄与分を受け取る子供の相続分は、次のように計算します。

    相続分 = (遺産総額5,000万円 − 寄与分1,000万円) × 法定相続分1/2 + 寄与分1,000万円 = 3,000万円

    寄与分を受け取らない子供の相続分は、残りの2,000万円です。

    寄与分に関する注意点

    寄与分に関する注意点は、次の2つのポイントに注意です。

    寄与分は相続財産の範囲内

    寄与分は相続財産の範囲内でしか認められません。

    多くの寄与分を狙って故人に多大な貢献をしても、相続財産を超える範囲では、寄与分は認められないのです。

    寄与分は遺言で指定できない

    寄与分は遺言書で指定できません。

    例えば、遺言書内に「~の寄与分を~とする」といった指定はできないのです。

    自分にたくさん貢献してくれた相続人に、より多くの財産を残したいならば、遺贈や贈与などの方法を使いましょう。

    まとめ

    寄与分は、亡くなった方に多大なサポートを行った方について、より多くの財産を承継できる権利のようなものです。基本的には遺産分割協議で各相続人から賛成されれば、寄与分を受け取れます。

    ただし、賛同を得られない場合は、調停により寄与分を請求しなくてはいけません。寄与分の要件やケースは複雑ですので、なるべく専門家の力を借りた上で請求するのがより良いでしょう。

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