【相続手続】遺産分割協議って必要?話し合いの方法などを司法書士が解説!
遺産分割協議とは、亡くなった人の「遺産」をどのように分ける「(分割する)」のかを話し合う「(協議)」するものです。
こちらでは、次の2つについて解説していきます。
- 遺産分割協議は必要?
- 遺産分割協議のやり方
遺産分割協議は必要?
遺産分割協議は先程説明したとおり、相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きです。
遺産分割協議は、必要な場合と必要ない場合があります。
次の表にまとめています。
状況 | 遺産分割協議の要否 |
---|---|
遺言書がある場合 | 不要 |
相続人が1人 | 不要 |
相続人が複数いる | 必要 |
以上となります。
それぞれ解説していきます。
遺言書がある場合
遺言書があると、自分の財産を自身が亡くなったときに、指定した相手に渡すことができます。
遺産分割協議は、相続人が遺産をどう分けるのか話し合うものです。
遺言書があることで「どう分けるのか話し合う」必要が無くなるので、遺産分割協議は、必要なくなります。
相続人が1人の場合
相続人が1人だと、誰が相続するのか決める必要がありません。
よって、遺産分割協議は、不要となります。
逆に相続人が複数いる場合には、必要となります。
遺産分割協議のやり方
遺産分割協議は、同じ場所に集まってする必要はありません。しかし、すべての相続人の参加が必要です。
よって、財産をまったく相続しない相続人であっても加わる必要があります。
遺産分割協議の「やり方」は大きく③つ
遺産分割協議のやり方は基本的にはこの③つです。
- 相続人が集まって話し合う方法
- 代表の相続人が全員に連絡・まとめる方法
- 専門家へ依頼する方法
やり方①:相続人が集まって話し合う方法
相続人全員が印鑑証明や実印を持って同じ場所に集まり、話し合いにより行う方法です。
法律上は同じ場所に集まって、話し合いをする必要はありません。
家族間の仲が良かったり、早く終わらせたい方はこの方法により、協議を行います。
やり方②:代表の相続人が全員に連絡・まとめる方法
代表の相続人が相続人全員に連絡し、誰がどの遺産を取得するのか、内容をまとめる方法です。
こちらが、一番一般的な方法です。
やり方③:専門家へ依頼する方法
司法書士などの専門家に意見をまとめてもらう方法です。
法律のプロが意見を取りまとめるのでトラブルを未然に防ぐことができます。
遺産分割協議書の作り方
遺産分割協議書は、遺産分割の話し合いの内容をまとめたものです。
遺産分割協議書には、次の内容が必要となります。
1 | 亡くなった人を特定できる情報(氏名・死亡日、最後の本籍など) |
---|---|
2 | 相続人の全員で話し合った旨及びその内容 |
3 | 相続人を特定できる情報(氏名や生年月日など) |
4 | 協議の成立日 |
以上の内容を記載した協議書に、相続人全員の実印での捺印が必要となります。
なお、署名は必須ではないですが、事後的な争い防止のためにも署名をすることをオススメします。
万が一正確な協議書を作成する自信が無い場合は、司法書士に依頼するのも一つの手です。
まとめ
以上の内容をまとめると次の通りです。
遺産分割協議が必要な場合 | ①遺言書がない ②相続人が複数 |
---|---|
遺産分割協議のやり方 | ①相続人全員が集まって話し合う ②代表の相続人が相続人全員と連絡をとり、話し合いをまとめる ③専門家に依頼する |
遺産分割協議書に必要なもの | ①亡くなった人を特定できる情報 ②相続人の全員で話し合った旨及びその内容 ③相続人を特定できる情報 ④協議の成立日 |
以上となります。遺産分割協議は相続手続でも、最も重要な手続といえます。
ご不安な場合には、専門家に依頼するをオススメします。