自筆証書の遺言書の印鑑の種類は?|相続対策

自筆証書の遺言書の印鑑

公証役場などに行かずに、ご自身で遺言書を作成する場合、法律上、印鑑の押印が要求されます。これは、日本の慣行上、重要な文書については作成者が署名したうえで押印することで文書完成するとされているからです(最判平元・2・16民集43-2-45)。今回は、ご自身で作成する遺言書に押印する印鑑について解説していきます。

遺言書に押す印鑑は認印でもいいのでしょうか?

法律上は認印でも自筆証書遺言書は成立します

自筆証書の遺言書に押す印鑑は法律上の制限はなく、認印でも形式的に問題は生じません。また、押印自体も、遺言をする人本人の意思のもとでされれば、本人の依頼を受けた他人によってされてもよいのです。もちろん、実際に押印する人の意思や判断などが入っている場合は、本人の意思とはいえません。

拇印は使えるの?

印鑑での押印以外に、遺言書に拇印が押される場合があります。拇印の場合でも遺言書の作成は認められます。これは、拇印の場合であっても遺言者の真意の確保に欠けるとはいえず、また、先程も説明したとおり、日本の慣習上、文書作成者の拇印があれば印章による押印と同等の意義があり文書の完成を担保できるからです。

署名だけで有効な場合はあるの?

署名だけの場合でも、判例で有効とされた事例があります。40年ほど前から日本に在住し、日本に帰化したロシア人の遺言書です。

この遺言書には、署名だけなされており、押印はありませんでした。しかし、欧米諸国の慣習では、ハンコの文化がなく、押印の慣習がないという理由から例外的に認められました。

印鑑は実印ですることをおすすめします!

以上のように、印鑑以外にも、拇印による場合や印鑑が不要になった場合を説明しました。しかし、一般的には、印鑑を押印する方がほとんどだと思います。

認印も法律上は有効だが、、、

確かに法律上、自筆証書遺言の印鑑は認印でも形式上認められています。しかし、実際に遺言書に記載されている内容を実現する時に問題になることがあります。

遺言書によって相続する相続分が法定相続分より少なくなってしまう相続人が、作成された遺言書は、別の人が作成したものだ!と言い出し争いに発展してしまう可能性があるのです。

認印の場合、誰でも手に入るので、争いや訴訟に発展してしまうおそれがあるのです。

自筆証書の遺言書は実印ですることをおすすめします!

以上のことから、遺言書の作成は認印ではなく、実印で作成することをお勧めします。法律上は認印でも実印でもどちらでも遺言書は成立しますが、相続人や受贈者間で争いに発展させないためにも実印で押印する方が良いでしょう。

遺言書の作成は、自身が亡くなった後の人達のことを考え、その人達のためにできる相続対策の一つです。しかし、誤った方法で遺言書を作成した場合、相続対策として作成した遺言書が逆に相続の問題に発展してしまいます。

こうしたことを防ぐためにも、遺言書をご自身で作成される場合には司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。

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