遺産分割協議はやり直せる！やり直す際の注意点も解説

一度おこなった遺産分割は、やり直すことが可能な場合があります。

今回は、大きく次の２つを解説していきます。

1. 遺産分割がやり直せる場合
2. 遺産分割をやり直すときの注意点

遺産分割は、2つの場合でやり直しが可能です。

それぞれについて確認しておきましょう。

以前におこなった遺産分割協議が無効であれば、遺産分割協議をやり直せます。

遺産分割協議が無効となる場合は、主に次の3つです。

• 相続人が欠けてた
• 遺産分割が詐欺や脅迫でおこなわれた
• 重大な財産の漏れがあった

法的に有効な遺産分割協議でも、相続人全員が同意すればやり直しすることはできます。

一度、遺産分割協議が成立した後でも環境の変化で、最初の分割内容と違う遺産分割協議をすることはよくある話です。

遺産分割をやり直すときは、注意する点が２つあります。

• 遺産分割の調停や審判は、原則としてやり直しできない
• 贈与税・所得税などの税金が発生するおそれがある

家庭裁判所の調停や審判によって行われた遺産分割は、やり直しができません。

例外的に、遺産分割の調停や審判に全ての相続人が揃っていなかったなどの特別な事由がない限り、遺産分割のやり直しはできないのです。

遺産分割のやり直しをした場合、贈与税や所得税が発生する可能性があります。

税法自体には、遺産分割協議をやり直すという概念がありません。

そのため、財産の名義が変わった際には、新しい所有者に贈与税や所得税が課税されてしまう恐れがあります。

遺産分割のやり直しで不動産の名義が変わった場合、登記もやり直す必要があります。

登記をやり直すと、不動産取得税や登録免許税が課税されてしまいます。

遺産分割は、一部の例外を除いて条件が整えばやり直すことができます。

しかし、遺産分割をやり直すと税負担が生じる可能性があること、やり直し自体が例外的なことも考えると、司法書士や税理士などの専門家の力を借りることをお勧めします。