ペットに財産を残すための家族信託

ペットのためにできること

日本で飼われているペットの数は、犬と猫の合計で1,857万頭に及びます(2019年一般社団法人ぺットフード協会による調査資料より)。

ペットと共に暮らしているご家庭はとても多いです。そのご家庭とペットの関わりを見てもわかるように、ペットはかけがえのない家族・パートナーとなっていることがわかります。

法律上、ペットは「動産」として扱われます

ペットが日本の家庭にとって、かけがえのない家族になっているにもかかわらず、日本の法律では、ペットは物つまり「動産」として扱われます。

そのため、飼い主が亡くなった時にペット自身に財産を残すことはできません。今回は、飼い主が亡くなった後や加齢により飼育が困難になったときに、ペットが安心して生活をできるようにするための家族信託について解説します。

ペットの生活保護

まず、ペットの生活保護のために様々な方法があります。代表的なものとして負担付遺贈、負担付死因贈与契約があります。

負担付遺贈

遺贈の放棄した場合は対応できない

負担付遺贈とは、遺言書で、財産を遺贈する代わりに一定の負担を負ってもらうものです。

ペットの飼育問題で負担付遺贈を使った場合、ペットの飼育という負担を負ってもらう代わりに財産を遺贈するというものになります。

しかし、この場合の問題点は、負担付遺贈の受贈者が、遺贈を放棄した場合です。ペットの面倒を看てくれる予定であった受贈者が遺贈を放棄することで、ペットの飼育をする人がいなくなるという問題点があるのです。

負担付死因贈与

受贈者がペットの飼育を行わなかった場合は?

負担付死因贈与は、死亡を条件に負担付贈与をするものです。負担付遺贈と異なり、生前に受贈者と契約をするため、受贈者は契約により拘束されます。そのため、受贈者による遺贈放棄の可能性は無くなります。

しかし、もし受贈者がペットの飼育を行わなかった場合に問題があります。

当然、事後的に損害賠償などの手続をとることはできますが、ペットの飼育という目的を果たすことはできないのです。

ペット信託

家族信託は、委託者が財産を信頼できる受託者に預け、預かった受託者が受益者のために、預かった財産を管理・処分するというものです。ペットのための家族信託は、少々複雑になりますが、負担付遺贈や負担付死因贈与契約と異なり、監督機能を確保することができるため、ペットの生活を保護する実効性は高いものです。

事例を通して見ていきましょう!

Aさんの家族構成

Aさんは、つい最近まで夫のBさんとペットのジョン君と一緒に暮らしていました。

しかし、先日夫のBさんが亡くなり、今はご自宅でAさんとペットのジョン君の2人で生活しています。

Aさんは自身が認知症や身体的不自由になったとき、またご自身が亡くなった後のペットのジョン君が心配でご相談に来れられました。

ペット信託の家族構成

Aさんの家族は、亡くなったご主人との間に娘さんが2人(長女Cさん、二女Dさん)いました。

長女のCさんが住んでいるマンションではペットは飼うことはできず、二女のDさんは遠方に暮らしており旦那さんが動物アレルギーです。

以上のことから、家族にジョン君を預けることは困難です。これまで、亡くなった夫の病院への入院などの都合からジョン君の面倒を看ることができないようなときには、近所のXさんにジョン君を預けていました。

家族信託を使ったペットの保護

ペットの生活保護のための家族信託スキーム

Aさんが、長女のCさんに財産とジョン君を預け、長女のCさんはAさんにジョン君を使用貸借するというものです。

Aさんが元気なうちは、Aさんがジョン君を飼育し、Aさんの判断能力の低下などによりジョン君の飼育が困難になった場合には、近所のXさんが、ジョン君の飼育を行うことになります。

近所のXさんによる飼育が困難になった場合には、受益者施設などに変更しジョン君の飼育者を変更できます。

そして、ジョン君が亡くなり葬儀、埋葬をした時に信託は終了し、残った財産は盲導犬協会に寄付するというものです。

※ ペット保険に関する信託による債務引受などは省略しております。

まとめ

今回、ご紹介した家族信託を使った方法は一つの事例にすぎません。ご相談にいらっしゃるお客様のご希望や状況に応じて、家族信託の内容は異なります。また、家族信託以外で対応が可能な場合には、死因贈与契約なども提案させて頂きます。ペットの今後の生活で不安などがあれば是非一度ご相談ください。初回相談料は頂いておりません。

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