【遺言書】相続により遺言執行者に選任!何をすれば?登戸の司法書士が解説
遺言書で、遺言執行者を指定しておくことで円滑な遺産の承継が可能になります。
こちらでは、次の2つを解説していきます。
- 遺言執行者とは?
- 遺言執行者は何をするの?
遺言執行者とは
遺言執行者は、遺言の内容を実現する人
遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な行為をします。
例えば、「自宅不動産を~に遺贈する。」とした遺言があり、遺言執行者が選任されているときは、遺贈の手続は遺言執行者が行います。
遺言執行者は誰がやるの?
遺言書を書いた人が遺言書の中で指定していることが多い
遺言執行者は、基本的には、遺言書を書いた人が遺言の中で指定している場合が多いです。遺言書で指定する以外に、次の方法があります。
- 遺言書の中で、遺言執行者を選んでもらう人を指定
- 裁判所に選任するよう請求
遺言執行者に指定されたら、何をすればいいの?
必ず引き受けなければならないわけではない。
遺言執行者に指定されても、指定された人は自由に就任を断ることができます。
しかし、就任を断るときは、他の相続人や利害関係人に就任を拒否した旨の書面を送る必要があります。
遺言執行者になってからすること
遺言執行者になってからすることは、基本的には次の4つです。
- 相続人などの調査と通知
- 財産目録の作成と通知
- 遺産の承継手続
- 終了の報告
1.相続人などの調査と通知
遺言執行者になった場合、相続人全員や遺言で包括的に財産を受け取る人(包括受遺者)に、次のことを通知しなければなりません。
- 遺言執行者に就任したこと
- 遺言書の内容
相続人の住所がわからないときは、戸籍などで住所をさがす必要があります。
遺言で受遺者の現在の住所がわからないときは、遺言書に記載されている住所から現在の住所を探しましょう。
2.財産目録の作成と通知
遺言執行者は、財産目録を作成し、交付する義務があります。
そのため、遺産を調査して、財産目録を作った上で、相続人などへ交付しなければなりません。
3.遺産の承継手続
相続人や受遺者へ遺産の承継手続を行います。
4.終了の報告
執行の手続きが完了した場合、相続人全員及び包括受遺者へ執行が完了した旨の報告をします。
まとめ
今回の内容をまとめると次のとおりです。
- 遺言執行者は、遺言の内容を実現する人!
- 遺言執行者に指定されても、断ることはできる!
- 遺言執行者の基本的な業務は主に4つ
以上となります。
遺言執行者のその他の業務
遺言執行者の業務は、今回紹介した内容以外にも、子の認知や一般社団法人の設立など、遺言の内容の応じて行う業務が異なります。
突然ご自身が遺言執行者に指定され、どのようにすればいいかわからない、という方はまずは専門家へご相談することをおすすめします。
令和元年相続法の改正
相続法の改正により、これまで遺言執行者の業務ではないとされていた業務を遺言執行者が行うことができるようになりました。
特定財産承継遺言
特定財産承継遺言とは、特定の遺産を共同相続人の一人や数人へ「相続させる」とした遺言です。
これまで特定財産承継遺言は、特段の事情がない限り、相続開始と同時に相続人に承継されるとされていました。
遺言執行者が何もしなくても、勝手に財産は承継されていたため、不動産の登記手続は、相続人自身でする必要がありました。
遺言執行者が不動産登記登記手続ができるようになった!
相続法の改正により、不動産が特定財産承継遺言により相続人へ承継される場合も、遺言執行者が指定されていれば、遺言執行者が登記手続をすることができるようになりました。