家族信託の受益者代理人は何をするの?

相続対策、認知症対策としての家族信託

家族信託は、委託者が、信頼のできる受託者に対して財産を預け、財産を預かった受託者は、受益者のために財産を使う制度です。認知症対策では、認知症になった委託者の財産を本人の代わりに受託者が管理し、利益を本人に渡すことで、家族信託制度を利用することができます。

また、この利益を受ける権利は、受益者Aが死亡したら受益者Bに。受益者Bが死亡したら受益者Cへ、と移転することができます。この受益者を次の代だけでなくその次の代も契約時に指定することができるのです。この資産承継機能から家族信託は相続対策としても使うことができるのです。

受益者代理人の役割

財産を預かる受託者を誰が監督するのでしょうか?

財産を預かる受託者を監督するのは、もともと財産をもっていた委託者と家族信託により利益を受ける受益者が行います。

しかし、委託者が亡くなった後、受益者が未成年者だったり、認知症などで判断能力が低下していた場合では誰が受託者を監督するのでしょうか?

また、受託者と監督をすべき委託者や受益者が親しい親族の場合には信託自体が馴れ合いになってしまい、当初予定していた信託事務がなされないこともあります。

受益者代理人による受益権の行使

このように、受益者や委託者などの受託者を監督すべき人が、正常に権利行使が困難になることに備えて受益者代理人として、司法書士や税理士の専門職を置くことができます。

この受益者代理人は、文字のとおり、代理する受益者のために、受益者の権利の行使をする権限を有しています。

実際の事例で見てみましょう!

相続対策として家族信託契約を行った場合の家族構成

Aさんは、自身の所有する賃貸マンションを管理していましたが、最近、身体的にも精神的にも自身で管理することが大変に感じていたことから、管理しているマンションを二男のDさんへ家族信託することにしました。

マンションの収益から得られる賃料はAさんとBさんの老後の生活費の足しとして使うため、最初の受益者はAさんとBさん、そして、AさんとBさんが亡くなった後は、長男のCさん、そしてCさんが亡くなった後は、孫のEさんが信託財産を取得し終了というものでした。

委託者(財産を預ける人)Aさん
受託者(財産を預かる人)二男のDさん
受益者(財産の利益を受ける人)① 委託者であるAさんと妻のBさん
② 長男のCさん
帰属権利者(信託終了時の財産の受け取り人)孫のEさん

受託者を受益者に代わって監督したり、受益権を請求するのが受益者代理人

上記の事例では、最初に家族信託により、委託者であるAさんから、二男のDさんへ信託財産が移転しています。

この場合、二男のDさんがきちんと信託事務を行っているか監督するのは、委託者兼受益者であるAさんと受益者であるBさんです。Cさんは次の受益者なので、Dさんを監督する権利を持っていません。

この後、AさんとBさんが重度の認知症になった場合、誰もDさんを監督する人がいません。そういった時に備えて、受益者代理人として司法書士などの専門家を指定しておくことで、受託者であるDさんの円滑な信託事務の遂行を期待することができるのです。

まとめ

今回は、家族信託における受益者代理人について解説しました。家族信託契約は、長期に及ぶ契約です。あらゆる場合を想定した上で契約書を作成する必要があります。家族間だけで信託契約の当事者を構成することは、ランニングコストを安く抑えることができます。

しかし、受託者への監督をしっかりと機能させる必要がある場合には受益者代理人を置く必要があります。

お客様の状況に応じてどのような信託設計を行うかは専門家により異なります。信託契約を検討している場合には、セカンドオピニオンを得ることも一つの手段と言えるでしょう。

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