家族信託の当事者による契約内容の変更

信託の変更

家族信託契約を行った後に信託契約の内容を変更するにはどうすれば良いのでしょうか?

家族信託は長期間に及ぶ契約です。途中で変更する必要が出てくる可能性は非常に高いです。今回は、家族信託の変更について解説しております。

信託の変更とは?

信託の変更とは、信託契約に定められた事項について、信託契約締結後に変更をすることをいいます。しかし、信託契約内容の変更といっても幅広いです。信託契約の変更もどのような変更が信託の変更にあたるのでしょうか?

何が信託の変更にあたるの?

委託者・受益者・受託者の変更は、地位の移転にあたることから信託の変更には当たりません。

そして、信託財産に追加信託する場合については、信託契約内容と追加する財産から総合的に判断する必要があります。単なる財産の追加なのか、それとも、新たな信託の設定と信託の併合なのか、または、信託の変更なのか、一概に答えことは難しいです。

これに対して、信託の目的や信託財産の管理方法、受益者に対する信託財産の給付内容(受益権の内容)などは信託の変更に該当します。

信託の変更は誰ができるの?

信託の変更は、原則として、委託者、受託者、受益者の3者間の合意により変更することができます。3者間の合意には時間や費用も掛かる可能性があるため、次のように柔軟な対応を可能としています。

委託者の合意受託者の合意受益者の合意受託者の通知義務
① 信託の変更 原則×
② 信託の変更が目的に反しないことが明らかであるとき×委託者へ
③ 信託の目的に反しないこと及び受益者の利益に適合することが明らか×〇(書面又は電磁的記録による通知)×委託者及び受益者
④ 受託者の利益を害しないことが明らか〇(いない時は不要)××
⑤ 信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかであるとき××
委託者
⑥ 信託契約に別段の定め△(定め次第)△(定め次第)△(定め次第)

このように、委託者や受託者、受益者の利害を考慮して、信託の変更の要件が緩和されています。

なお、信託の変更が、②受託者と受益者だけで行った場合や③受託者の通知のみで変更した場合、⑤信託の目的に反しないこと及び受託者の利益を害しないことが明らかな場合に、変更したときは、受託者は当事者でない委託者または受益者に対して、変更後の信託内容を通知する義務があります。

この通知をしなかった場合、信託事務執行の懈怠であるため、損害賠償責任の原因となり、解任の原因となりうるので注意が必要です。

信託の目的の変更

信託の変更を行う場合、原則として全員の同意が必要となりますが、信託当事者の利害関係に配慮して要件が緩和されています。もし、委託者が死亡し、委託者の地位を相続させなかった場合、信託の変更は、信託の目的に反しない場合に行うことができます。そのため、信託の目的自体を変更することは、信託の目的に反するためすることができないことになるのです。

まとめ

以上のように、家族信託の当事者による信託の変更には、様々な方法があります。当事者による変更以外にも、裁判所により変更することも可能です。

信託の中で金融機関から借入を行っており信託事務処理として返済をしていることがあります。信託の変更を行ったとしても、こういった金融機関などの債権者へ通知する義務などは法律上ありませんが、受託者の権限や債権者の担保とされている信託財産の変更の場合には、事後的なトラブルの防止のためにも事前に金融機関などと打ち合わせをしておくことをおすすめします。

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