相続対策において遺言書と家族信託はどちらが優先するの?

遺言書と家族信託

相続対策と言えば、「遺言書」がでてくるくらい、遺言書は、相続対策としてとても認知度の高い手続と言えます。これに対して、家族信託は、最近注目を集めている手続です。

今回は、この遺言書と家族信託の簡単な内容の説明をした後、手続上どちらが優先するのか、について解説しております。

遺言書

遺言書は、知ってのとおり、ご自身が亡くなった後に、ご自身の処分方法などを一定の形式に従って記入・作成した法的な書類です。

遺言書を作成しておくことで、ご自身が亡くなった後の遺産を、原則として、ご自身の思い通りに帰属させることができるのです。

家族信託

家族信託契約を分かりやすく説明するためにこちらの図をご覧ください。

家族信託は、ご自身の特定の財産を特定の信頼できる人に預け、一定の目的に従って管理してもらう方法です。このように家族信託は、財産管理を主とした手続です。しかし、家族信託には資産承継機能というものがあります。例えば、AさんがDさんにAさんの賃貸不動産を預けた場合に、最初は、賃貸収益をAさんに、Aさんが亡くなった場合にはBさんに、そして、Bさんが亡くなった後は、不動産自体をEさんに渡す、ということができるのです。

遺言書と家族信託では、どちらが優先するの?

遺言書と家族信託の優劣を図を通して確認しましょう!

このように、遺言書と共に家族信託も相続対策として、最近とても注目を集めています。では、先の事例で、Aさんが遺言書で不動産をCさんに相続させる、としていた場合にはどうなるのでしょうか?

遺言書では帰属先としてSさんにされていましたが、家族信託ではAさん→Bさん→Eさん、という内容になっていました。どちらが優先するのでしょうか?

家族信託契約が優先します!

結論を言うと家族信託が優先します。事例を2つに分けて説明します。

家族信託後に、遺言書が作成されていた場合

家族信託は処分行為です。これにより、家族信託の対象になっていた財産の所有権は移転します。先の事例でいうと、Aさんが不動産をDさんに信託したことで、不動産の所有権はDさんへ移ります。これにより、その後Aさんが遺言書でCさんへ相続させるとしていたとしても、財産はAさんのものではないので、例え、遺言書に記載されていたとしても、所有者はDさんのままなのです。

なお、不動産の所有権はDさんにありますが、賃貸の収益を受ける権利などは、信託契約内容に従うので、①Aさんが賃貸収益→②Bさんが賃貸収益→③Eさんが不動産を取得、ということになります。不動産の所有権があっても、Dさんは信託契約に拘束されるのです。

遺言書作成後に、家族信託契約された場合

では、遺言書でSさんに遺贈するとした後に、家族信託契約をした場合はどうなるのでしょうか?

こちらも、先程説明したとおり、家族信託契約が優先します。

家族信託は処分行為であるため、遺言書に書いた不動産を家族信託で処分した場合、遺言書に記載された不動産の部分は家族信託と抵触します。よって抵触した範囲内で遺言書は撤回されるのです。

まとめ

今回は、相続対策を行う上での遺言書と家族信託契約の優先順位について解説しました。

なお、実際に相続対策を行う場合には、家族信託と遺言書はセットにするのが一般的です。

相続対策では組み合わせが大切です!

家族信託では、資産承継に扱うことができない資産があります。例えば年金です。こういった資産を相続させるときに、遺言書を用いる場合が多いのです。相続対策を検討するときは、どのようなお悩みや問題があるのか、を検討した上で適した対策をすることが大切です。法律面でも、税務面でも、専門性の高い知識が要求されることが多いことから、専門家にご相談することをおすすめ致します。

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